《役立つ知識》「無意識」と「忘れてしまうこと」の関係性を考える
「無意識」と聞いて何を思い浮かべますか?
そして、「忘れてしまう、覚えていない」ということとは関連しているように感じますか?
多くの方は「無意識」と「忘れてしまうこと」を繋げて理解することをしません。忘れたことは、「忘れてしまったこと」としている方もいるでしょう。ただ、それは見えないものであり、実際に目で見て確認することもできないものなので、正解不正解ははっきりとはしていません。
しかし、臨床心理学、精神医学の領域の1つである精神分析という概念では、無意識というのをこのように理解しています。
「無意識」は大きな舞台のオーディション会場の控室スペースです。そこには忘れていたこと、記憶にも上らないこと、忘れたいことなどかなりごった返しています。かなり混み合っていて、ぎゅうぎゅうに詰まっています。
その中で、順番に選ばれた人がオーディション会場に進みます。そこで私たちのその無意識にいた人(こと)を合格させていいか審査をします。その審査に合格した人(こと)が晴れて表舞台に立ち、我々の意識に上らせることが出来ているのです。
その考えに基づくと、その審査が上手くいっているときは、何も問題は起こりません。ただ、その審査基準が緩くなったり、厳しくなったりすると適切に無意識のスペースにいる人たちが表舞台に立てなくなってしまうのでしょう。何かいつもと違うことや症状が出ている時は、その審査が上手くいっていないことが有り得ます。忘れていたことを思い出してパニックになったり、思い出したいことも思い出せなくなったり・・・
なんだかいつもと違う感じがあった時は、自分の忘れていたと思っていたことや無意識に閉じ込めていることを振り返ってみる機会もあるといいのかもしれませんね。
(山田)