《役立つ知識》悲しいから泣くの?それとも泣くから悲しいの?
心理学史の中でも論争といわれるものがいくつかあります。
そのうちの1つが、私たち人間は悲しいから泣くのか・それとも泣くから悲しいのかというキャノン・バード説とジェームズ・ランゲ説です。
これは、何かの刺激(情報)があった時に①悲しいという情動が泣くという生理的な行動を生み出しているのか②泣くという生理的な行動が悲しいという情動を働かせているのかという、感情がどこから来るのかを考えた理論です。
(それ以降も研究が重ねられて知見が変更・修正されていますがここでは割愛します)
つまり、身体の変化が気持ちを起こすのか、気持ちが身体の変化を起こすのかということですが、みなさんはどちらだと思いますか?(脳神経系からも考えられますが、正解は・・・難しいですね)
例えば、赤ちゃんをみるとき、笑いかけると赤ちゃんが無邪気に笑うことをお母さんは知っています。この時、赤ちゃんは楽しいという気持ちを知っているわけではないと考えると、楽しいから笑うのではなく、笑うことが楽しい、幸せだということを体験しているかもしれません。(赤ちゃんについては様々な研究があります。身体→気持ちの一例として)
例えば、大人になり、親しい人が遠くへ旅立った時、泣く前にもう会えないことを理解して、会えないのは悲しいと感じて、泣くかもしれません。(気持ち→身体)
どちらかといえば、大人である私たちから考えると気持ち→身体となりやすいかもしれません。嫌なことがあった、不安なことがあると思うと、身を縮め、姿勢は丸くなり、下を見て表情もなくなります。(気持ち→身体)
その原因である嫌な事や不安なことを解決できるのが一番なのかもしれませんが、多くは難しいと思います。そんな時は身体→気持ちで、気持ちの切り替えを試してみるのもいいかもしれません。
上を向いて歩く・笑顔でいる・胸をはる・深呼吸をする
身体→気持ちで、今より楽に気持ちが変化する事を願って。
ペンネーム:こころはふしぎ