統合失調症によって表れる陽性症状は、この病気特有の症状です。そして、この陽性症状を簡単に考えれば「本来、心の中にないものが存在する」となります。
もともと心の中にはないものが、聞こえたり見えたりすることによって、幻聴や被害妄想などが表れます。脳内の神経伝達物質に異常が起こっているため、正常な人にはないものが存在するようになります。
これら陽性症状は統合失調症を発症して間もない頃や再発時に多く見られます。
陽性症状 | 特徴 |
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幻覚 |
現実にないものをあるように感じる
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妄想 |
現実にはありえないことを信じ込む
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自我意識の障害 |
誰かに支配されていると感じる自分と外界との境界がはっきりしなくなり周囲の影響を受けやすくなることがあります。また、自分の行動や考えをだれかに支配されているように感じたり、自分以外のものに意思決定されると感じたりすることもあります。 たとえば、自分の考えが人に知られていると思う【さとられ体験】 誰かにあやつられて思う【させられ体験】などがあります。 考えが抜き取られる・考えが吹き込まれる・自分が自分でないような感じ |
思考の障害 |
まとまりのない会話や行動になる考えにまとまりがなく、一つの話題から全く別の関連性のない話題へ次々と話がとんだり、つじつまが合わないことをいったりすることがあります。 ひどくなると「ねこは大雨だからピクニックは4階の窓にスパゲッティ…」などと「言葉のサラダ」と呼ばれる、全く一貫性やまとまりのない言葉をつなげただけの意味の通らないことを言ったりすることがあります。そうかと思うと突然黙り込んだり、全然話さなくなったりすることもあります。 |
行動の異常 |
極度に興奮したり、奇妙な行動をとる激しく興奮して大声で叫んだり、逆に周囲の刺激に全く反応しなくなったりすることがあります |